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その方の訪問の担当になって初めて、
いままでの服薬指導の工夫のどれもが
目が見えるという前提だったのだと気づかされました。

この方は、それまで当薬局を利用していた方ではなく、往診をしている医療機関から薬局へ直接訪問依頼を受けました。その医療機関によると、この方は視力を失ってからそれほど時間が経っておらず点字は修得していないとのことでした。
成人されてから視力を失うということの戸惑いの大きさは、その思いを薬局にぶつけてこられた時の激しさに一端を見たように思います。

「一包化は開封するときに薬が飛び散る。目が見えないから拾い集められない!」
「かといってPTPのままじゃ困るんだ」
「いつものところに置いてなかった。持って来てくれなかったのか!」
「軟膏チューブの開け閉めは無理だ」
「そもそも軟膏は使いたくない。どのくらい塗っているかわからないから嫌だ」

本人の意向を確認しながら、その時点で最適と考える調剤を行っていきました。
本人に選んでいただいた容器にクリップや輪ゴムを括りつけて、服用時点毎のバラ錠を入れたこともあります。

それでも、
落としたままの薬がしけてしまったり
容器の中に異物が入る、など衛生上の問題や
軟膏や血圧の薬を自己判断で増減してしまうなど、次から次へと問題が出てきました。

訪問の都度、もっといい方法はないのか、社内の在宅マネージャーや店舗スタッフと相談しています。訪問看護リハビリステーションに直結しているクラウドシステム「カナミック」で経験豊かな看護師に相談することもあります。

ヘルパーは介在しているものの週2回だけ、また介護保険利用可能年齢に達していないためケアマネジャーもついていない状況の中、何とかちからになりたいと考えて、往診の医療機関や行政の担当者とも連携し、問題点の共有に努めています。
いまでも、訪問の残薬確認できちんと服用できていたとわかるととても嬉しく、逆に残薬が多かった日にはがっかりして力不足を痛感します。少しずつ歩み寄ったり新しいアイデアを試したりして、ご本人と私の意識改革をこれからも続けていくつもりです。