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ケイさん(仮名)には身寄りが妹さんしかおらず、大学病院を退院後は妹さんご夫婦が自宅の一室を改装して迎え入れてくれることになりました。
しかし、妹さんは心臓と膝に疾患を抱え、その夫も杖なしでは歩けない状態です。ほぼ寝たきりが予想されるケイさんの介護ができるのだろうか…。

ケイさんの退院に際して行われた担当者会議には、驚くほどたくさんの関係者が集まりました。
 医師
 病院の看護師
 訪問看護の看護師
 ケアマネジャー
 薬剤師
 訪問介護(ヘルパー派遣) 2社
 介護用品 3社
私にとって初めての在宅担当患者でしたので、妹さんご夫婦の状態とあわせて、漠然とした不安がありましたが、これだけのスタッフが協力し合えばどうにかなるかも知れないと希望を持ちました。

しかし、その担当者会議で訪問看護の看護師に、密に連携したいという思いを伝えると
こんなことを言われました。
「今まで連携した薬局の薬剤師は、薬を届けてセットしてくれるだけ。とてもありがたいことだけど、それ以上でもそれ以下でもなかった」
つまり、薬剤師はほとんど期待もされていなかったのでした。

ケイさんの状態は思わしくなく、刻一刻と変化していきました。
そのため医師や看護師・ケアマネジャーに、訪問前には状態の聞き取りをし、訪問後には状態の伝達を行いました。
最初は私からの一方的な連絡にすぎませんでしたが、腫瘍とは別の潰瘍の痛みの聞き取りに成功したり、腸閉そくの兆候の発見などに役立っているうちに、薬の相談を受けるようになりました。
こうして、それぞれの職種として一生懸命ケイさんを囲んでいるうちに、お互い密に連携し合う良いチームになっていきました。

在宅がはじまって数か月後に、大学病院で「もう治療はできない」と言われた日からお亡くなりになるまでの4か月間、ケイさんはしっかりと生き、私に在宅の意義をたくさん教えてくださったように思います。


※さらに詳しい内容は冊子「コスモノイイトコロ」に掲載されています。機会があればぜひ手に取ってみてください。